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君たちはどう生きるか 漫画の感想
「君たちはどう生きるか」の漫画版の感想を書いてみる。
この漫画 君たちはどう生きるかは母からの薦めで年始から読み始めた。
私自身は現在35歳。
自分なりに様々なことを経験して多くの気づきを自分なりに咀嚼してきたつもり。
だから、巷で流行っている書籍にどれだけ心が動かされるだろうかという思いとともに読み始めた。
なんでも、80年以上のロングセラーとのこと。
普遍的な教養書なのだろう。
読めば大なり小なり今の自分に照らし合わせてみて身になることもあるだろうと考えていた。
内容はとてもよかったと感じている。
普遍的であり、多くの人がそれぞれの人生経験と重ね合わせて誰かに薦めたくなるものだった。
よくある「衝撃的」で「すぐ実践」「効果絶大」のような、
流行りで書店に平積みされている書籍とは別物。
自分の心の中ですでに消えかけていた記憶に触れては、
その時の思いを今の自分が思い返してみて
この本に書かれていることになぞらえてみる、そんな脳内作業が繰り返し行われた。
君たちはどう生きるか 漫画の要約と解説
漫画 君たちはどう生きるかの背景となっている時代は、日本が軍国主義真っ只中で戦争に向かって突き進んでいる時代。本書は著者である吉野源三郎氏が当時において国の危うさを憂いて指南書として書き始めたものだったが、国の厳しい検閲のため児童書として出版された。そんな時代に生きる少年「コペル君」を主人公として、彼が遭遇する困難や悩み苦しみに対して彼の叔父である「おじさん」(そのままだが)が寄り添いながら生き抜いていく様子を描いている。
コペル君は父親を亡くし母子家庭に暮らす少年。
「息子には立派な人間になってほしい」と願った父親の遺言を受け取った叔父は、
コペル君の日常生活で起きる悩みや気付きに対してサポートしながら、
叔父自身もその気付きやアドバイスをノートに綴っていく。
叔父自身はもともと編集者であったが、
会社が倒産したため無職の状態ではあったが腐ってはおらず、
コペル君の成長を促すメンターとして描かれている。
コペル君は困難にぶつかるたびに、
叔父の言葉やノートに書かれた助言から叱咤激励を受けて立ち向かっていく。
叔父もまたそんなコペル君に向けて綴った言葉たちによって自身も多くの気付きを得ていく。
誰もが一度は立ち向かうことになる困難や、不安、悩みに対して、
歴史上の偉人や学問を例にしながら「人としてあるべき姿」がわかりやすく説かれている。
君たちはどう生きるか 漫画の名言たち
漫画 君たちはどう生きるかには、大人になった今でもハッとさせられる言葉が数多く散りばめられています。その中でいくつかをご紹介。
・人間の立派さがどこにあるか、それを本当に君の魂で知ることだ
・英雄的な気魄を欠いた善良さも、同じように空しいことが多い
・正しい道にしたがって歩いてゆく力があるから、こんな苦しみもなめるのだ
・心をうごかされたことから出発してその意味をごまかさずに考えること
・ある時、ある所で、ある感動を受けたという、ただ一度の経験のなかに、その時だけにとどまらない意味のあることがわかってくる
・世間で「立派」と言われていることを鵜呑みにするだけでは、いつまでたっても一人前にはなれない
君たちはどう生きるか 併せて読みたい一冊
2017年の年末に出版されたこちらの書籍もぜひ併せて読んでいただきたい。
これがデビュー作となる本書の著者は現在無名の平凡な会社員。
彼の経験した挫折、自分自身に対する失望、失った社会的信用、そして、失くしたものたちの代わりに手にしたものへの想いが衝動的に、そして赤裸々にリアルな表現で書かれている。
自分自身が平凡な日常を送っていると感じている人ほど、刺さる内容だ。
時折眉唾物とスレスレの内容だが、面白いのでぜひ。
→生きる